正解のない問いの前に立ちつづける 【転換期を生きる人間を考える】 第1回
日時:2024年12月21日(土)
会場:東京虎ノ門グローバルスクエア コンファレンス(東京都港区)※ リアルとオンラインのハイブリッド形式で実施
発表者:吉岡秀人氏(特定非営利活動法人ジャパンハート最高顧問/創設者/小児外科医/東北大学特任教授)
参加者:教員、指導主事、教職大学院生(現職教員)、付属校教員、若手研究者など、計71名
【実施概要】
今回の会議では、医療現場の最前線で人命と向き合い続けている吉岡秀人氏(特定非営利活動法人ジャパンハート最高顧問/創設者/小児外科医/東北大学特任教授)をお招きし、「転換期における生き方・働き方」についてご発表いただきました。
吉岡氏は、「医療は患者の人生の質を上げること」であると述べたうえで、教育においても「子どもの人生の質を高めること」が本質であると共通項を指摘しました。教育と医療が「人の成長を支える」根幹でつながっているという気づきが得られました。
今回の発表を通して、テーマを多角的に検討するためのさまざまな発見が得られました。
まず、「教育と医療に共通する"人生の質を高める"という視点にハッとさせられた」という参加者の意見に代表されるように、教育という営みをより広い社会的文脈で捉え直す視点が得られたという学びがありました。また、「正解は自分の中にある」という言葉に触れたことで、問いの立て方や探究のあり方について再考するきっかけになったという気づきもありました。参加者からは、発表者の一つひとつの言葉が深く、哲学的であり、自身の行動の原点を見直す機会になったという感想も多く聞かれました。
特に印象に残ったキーワードとして、「人生の豊かさは、幸せと辛さの落差にある」「教育は、子どもの人生の質を上げること」「"機会"は与えるが、"判断"は本人に委ねる」などが挙げられました。これらの言葉は、教育現場においても活用可能な普遍的示唆であり、これは、教育の本質を改めて深く考える重要な手がかりだと考えます。
また、発表後のグループディスカッションでは、「転換期の教育・働き方」をテーマに、多様な立場からの意見交換が行われました。その中で、「教員の働き方改革は、残業削減ではなく役割の再構築である」という新たな視点や、「自己犠牲ではなく、自分を大切にすることが、他者を大切にすることにつながる」という価値観の転換が重要である、という発見がありました。さらに、「自分の今が"起・承・転・結"のどこにあるのかを見つめ直す機会になった」という内省的な気づきや、「教育を外から眺める視点」が新たな学びにつながるという指摘もありました。
なお、参加者からは、全体を通して、「教育関係者以外の講師の話が新鮮で刺激的だった」「命や人間の豊かさについて改めて考え直す機会となった」、「人を育てること、支えることに共通する本質を学ぶことができた」「自分の人生に責任を持ち、自分のために仕事をするという視点が励みになった」といった感想が多く寄せられました。「今回得た気づきを、今後の教育現場で生かしていきたい」という前向きな言葉からうかがえるように、今回の発表と対話の場は、参加者にとっても、教育の本質に立ち返り、自らの実践を問い直す貴重な機会となりました。




